表舞台を離れた坂口が選んだのは、まったく新しい道だった。バリスタのバリ・インドラ氏に師事し、コーヒー焙煎士としての修行を開始。千葉県九十九里町に拠点を移し、自身のブランド「The Rising Sun Coffee」を立ち上げた。海風が吹き抜ける街で、豆と向き合う地道な日々。かつての大スターは、職人としての汗を流していた。
この劇的な生活環境の変化にも、妻は柔軟に適応した。店舗のブランディングや経営のアドバイスに関わりつつ、千葉の自然豊かな環境で子どもたちを健やかに育てることに注力した。都市部の喧騒から離れたこの地での暮らしが、坂口の心身を癒やし、家族の絆をより強固なものへと昇華させたのだった。