2016年に開設された当時の駐屯地は、主にレーダーで周辺海空域を行き交う艦船や航空機を目視・探知する「沿岸監視隊」が主力を担っていた。日本最西端に「目」を配備することで、南西海域に広がる防衛の空白地帯を埋めることが主眼だったからだ。
状況は一変した。中国軍の空母打撃群が宮古海峡や与那国近海を頻繁に通過し、台湾を取り囲む大規模軍事演習が常態化。これを受け、陸上自衛隊の西部方面隊直轄部隊や電子戦部隊の進出が相次ぎ、駐屯地は単なる「監視所」から、侵攻を洋上で食い止める「抑止の要塞」へとその役割を急激に塗り替えている。