幕末最強の天然理心流|新選組を鍛えた実戦剣術の真相と現在の継承

幕末最強の天然理心流|新選組を鍛えた実戦剣術の真相と現在の継承

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天然理心流の稽古風景を目の当たりにした者が一様に息を呑むのが、特異な稽古道具の存在です。一般的な剣道や他流派で用いられる木刀が重量500g〜600g程度であるのに対し、天然理心流の木刀は赤樫を削り出した太極な業物で、重量は1.5kgから2kg超に達します。素振り専用の大木刀に至っては3kgから5kgを超えるものまで存在し、現代の感覚からすれば「丸太を振り回す」に近い負荷を身体にかけます。

この重量級の木刀を用いて行われるのが、天然理心流の代名詞ともいえる「振子(ふりこ)稽古」や徹底した型の反復です。手先の手首のスナップではなく、背筋、腹筋、そして下半身の体重移動を総動員しなければ振ることすらできません。この稽古を日常的に重ねることで、門弟たちは強靭な体幹と、相手の防御ごと叩き割るような凄まじい打撃力を身につけました。

さらに、天然理心流の技の特徴は、剣術単体に留まらない点にあります。この流派は以下のような多角的な戦闘技術で構成される総合武術です。

  • 切紙・目録・中極意・免許・免許皆伝の体系:単なる太刀の型だけでなく、相手が組み付いてきた際の柔術(体術)、小太刀による至近距離戦、さらには隠し武器の扱いまで段階的に習得する。
  • 撃剣稽古(防具着用の実戦乱取り):型稽古だけでなく、江戸後期に普及した防具と竹刀を用いた撃剣稽古を早い段階から導入。近藤勇や沖田総司は他流試合を恐れず、北辰一刀流や神道無念流の猛者と竹刀を交えて動体視力と実戦感覚を研ぎ澄ました。
  • 実戦的な突き技(平突き):沖田総司が得意としたとされる「三段突き」の原型は、天然理心流の強固な中段構えから繰り出される平突きにあります。刀の峰を横にし、相手の肋骨の間をすり抜けるように刺突する技術は、甲冑を着ない幕末の白刃戦で致命的な殺傷力を誇りました。
渡辺 美咲
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渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。