近大卒業式の歴史を語る上で、絶対に外せないターニングポイントがある。2015年、同校の卒業生であり、音楽プロデューサーのつんく♂氏が登壇したときのことだ。
喉頭がんの治療のため、自らの「声」を失ったことを告白した直後の登壇。彼は声を出す代わりに、巨大なスクリーンに文字を映し出す形で祝辞を述べた。「私も声を失って、また新たなスタートラインに立ちました。皆さんも、自分を信じて進んでください」。
この演出は、会場にいた卒業生だけでなく、日本中を涙と感動で包み込んだ。言葉を超えた生き様そのものを見せる姿勢こそが、近大卒業式が「伝説」と呼ばれるようになった原点である。