事態を複雑にしているのは、エンターテインメント業界側の変化だ。2026年の推し活市場は、テクノロジーの進化により高度な個別化(パーソナライズ)を達成している。AIを活用した個別メッセージ配信や、ファンクラブの細分化された超VIP会員制度。これらはファンに「自分は特別な存在だ」という錯覚を強く植え付ける。
企業が収益化を追求して顧客体験を極限まで個人の嗜好に最適化させた結果、ファンの所有欲は限界まで肥大化した。チケットの高額転売やVIPエリアの奪い合いは激しさを増し、「金を払っている自分が最も推しに愛されるべきだ」という意識が加速する。マーケティングの進化が、図らずも同担への敵対心を煽る構造を作り出している。