建築コストの高騰と単身世帯の急増が続いた結果、新築される都市型マンションの専有面積は年々削ぎ落とされてきた。部屋を少しでも広く見せるため、デッドスペースになりやすい和室や大型押し入れは真っ先に図面から消去された経緯がある。
その煽りをまともに食らったのが布団派だ。「ベッドを置くと部屋の半分が埋まるから敷布団にしたい」という合理的な選択が、収納場所の消滅によって裏目に出る。朝の数分、重い掛け布団と敷布団を抱え、行き場のない塊を部屋の隅へ積み上げる。その行為自体が、日々の生活意欲をじわじわと削っていく。