白Tシャツのケアを巡っては、インターネットやSNS上で数多くのライフハックが飛び交っていますが、科学的根拠を欠いた誤った手法によって大事な服を台無しにしてしまうケースが後を絶ちません。
誤解1:「塩素系漂白剤を使えば一番白くなる」という危険な罠
真っ白な服だからと安易にキッチン用などの塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を使ってしまう人がいますが、これは塩素系酸素系違いを理解していない極めてリスキーな行為です。塩素系漂白剤は酸化力が強すぎるため、綿のセルロース繊維を不可逆的にボロボロにして生地を薄くしてしまいます。
さらに致命的なのが、夏場に多用する日焼け止め(アボベンゾン成分)が付着した衣類に塩素系漂白剤を注ぐと、化学反応によって鮮やかなピンク色や赤紫色に変色してしまうというトラップです。一度この着色が生じると、濃縮液体洗剤を原液塗布して根気強く油分を落とさない限り元に戻りません。白Tシャツの黄ばみ取りには、色柄物にも安心して使える粉末の酸素系漂白剤を選択するのが鉄則です。
誤解2:「どんな服でも熱湯でグツグツ煮れば解決する」の誤謬
究極の脱脂法として知られる煮洗いやり方ですが、すべてのTシャツに適用できるわけではありません。煮洗いが有効なのは「綿100%」または「麻100%」かつプリント加工や刺繍がない衣類に限られます。
ポリエステルなどの合成繊維が混ざった高機能Tシャツを80℃以上の熱湯で煮沸すると、熱可塑性によって繊維が収縮し、二度と元のシルエットには戻りません。また、鍋の素材選びも重要で、アルミ鍋を使用するとアルカリ性洗剤と化学反応を起こして鍋が黒ずみ、腐食して衣類に金属汚れが付着します。煮洗いを行う際は、必ずステンレス製またはホーロー製の鍋を使用し、弱火で10〜15分程度静かに煮るルールを守りましょう。