磁石につく金属は3種だけ?日常の誤解とステンレスの謎をプロが解明

磁石につく金属は3種だけ?日常の誤解とステンレスの謎をプロが解明

磁石につく金属は3種だけ?日常の誤解とステンレスの謎をプロが解明の基礎知識と応用に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

理科の授業で磁石を砂場に差し込み、砂鉄を集めた記憶を持つ人は多いはずです。世の中の多くの人は無意識のうちに「金属=磁石につく」という図式をインプットされています。工業材料や資源リサイクルの現場データを確認すると、地球上に存在する膨大な金属素材の中で、磁石に強く引き寄せられる強磁性体として振る舞う元素は極めて特殊な例外です。

常温(20℃前後)の環境下において、単体元素として磁石に吸着する身近な強磁性体は、鉄ニッケルコバルトの3元素のみです。周期表を広げると希土類元素のガドリニウム(Gd)も強磁性を示しますが、その磁性を失う境界温度(キュリー温度)は約19℃と低く、少し室温が上がるだけで常磁性体へと変化して吸着力を失ってしまいます。実生活や一般産業の領域で「磁石につく純金属」と呼べるものは、鉄・ニッケル・コバルトの3種類に絞り込まれます。

建設資材の主役である鋼材、電気配線やコインに使われる合金など、私たちの周囲にある磁性体の多くは、これら3つの金属をベースに開発された合金です。逆に、私たちが毎日のように手にするアルミニウム缶、10円硬貨の主原料である銅、金や銀の宝飾品、軽くて強靭なチタン製品などは、すべて磁石には吸着しません。「金属だからくっつく」のではなく、「鉄・ニッケル・コバルトを含む特殊な構造を持つからくっつく」と捉えるのが科学的な事実です。

佐々木 一輝
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佐々木 一輝

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。