突然の発症に直面した保護者が最も知りたいのは、「我が子の症状はどちらに該当するのか」という初動の判別です。ヘルパンギーナと手足口病の違いを決定づける要素は、発疹と水疱の場所・見分け方、そして高熱が続く期間と解熱の目安の2点に集約されます。
ヘルパンギーナは、主に喉の突き当たりにある軟口蓋(口蓋垂の周辺)や咽頭後壁に直径1〜2ミリ前後の赤い水疱が無数に出現します。手や足の皮膚には一切発疹が出ない点が最大の特徴です。発熱は急激で、38.5℃〜40℃近い高熱が2〜3日間にわたって持続し、喉の激痛から唾液すら飲み込めずに強い不機嫌状態が続きます。
一方の手足口病は、口内だけでなく手のひら、足の裏、膝の裏、臀部(お尻)に米粒大の紅斑や水疱が出現します。口内の病変も喉の奥に限らず、頬の粘膜や舌、唇の内側など前側にも現れるのが相違点です。発熱に関しては、感染者の約3分の1にみられる程度にとどまり、熱が出ても37.5℃〜38.5℃前後の微熱が1〜2日で自然解熱することが大半です。
原因となる病原体は、いずれもピコルナウイルス科に属するエンテロウイルス・コクサッキーウイルスの仲間です。同じグループに属しているからこそ、潜伏期間はどちらも約3〜5日と共通しており、流行時期も6月から8月の夏場を中心に重なり合います。