インターネット上で「スマイリーキクチ 元ヤン 理由」と検索するユーザーの多くは、彼が過去に素行不良な少年時代を過ごしていたのではないかという先入観を抱きがちです。しかし、警察の綿密な捜査や関係者の証言、自著『突然、僕は殺人犯にされた』における克明な記録を精査すると、非行歴は完全に事実無根であることが証明されています。では、なぜこのような噂が根強く定着してしまったのでしょうか。理由は大きく3つの要素に集約されます。
第1の理由は、東京都足立区出身という地理的要素です。1972年1月16日に足立区で生まれた本名・菊池聡(きくち さとし)氏は、下町の一般家庭で育ちました。しかし、1988年末から1989年にかけて同区内で発生した凶悪事件「女子高生コンクリート詰め殺人事件」の記憶が生々しかった1990年代末、匿名掲示板において「足立区出身の同年代タレント」という属性だけでターゲットに選定される事態が起きました。
第2の理由は、本格的なボクシング経歴と引き締まった体躯です。彼は青年期にプロを目指して過酷なボクシングトレーニングに打ち込んでおり、そのストイックな風貌や格闘技経験が、ネットユーザーの勝手な妄想によって「腕っぷしの強い不良」「元ヤンキー」というステレオタイプへと変換されていきました。
第3の理由は、悪質な中傷者たちによる「後付けの人物設定」です。ネット掲示板で殺人事件への関与デマを拡散する際、犯人像に説得力を持たせる目的で「あいつは元ヤンキーで凶暴だった」「昔から悪名高かった」という虚構のエピソードが意図的に創作・流布されました。こうして、事実無根の「元ヤン説」はデマを補強するための道具として拡散されたのです。