E=mc²の真の恐ろしさと魅力は、掛け算の係数である「c²」の大きさにあります。光の速度は秒速約3億メートル(3×10⁸ m/s)です。これを2乗すると、光速の2乗の計算結果は約9×10¹⁶(9京)という天文学的な数値に跳ね上がります。
試しに、手元にあるわずか「1円玉1枚分(1グラム=0.001キログラム)」のアルミニウムがすべて純粋なエネルギーに変換されたと仮定してみましょう。計算式は以下のようになります。
E = 0.001 kg × (300,000,000 m/s)² = 90兆ジュール(9×10¹³ J)
90兆ジュールという数値は、大型の発電所が数日間で発電する電力量に匹敵し、一般的な家庭数万世帯が1年間に消費する電力を一瞬で賄えるほどの桁違いな規模です。日常にある消しゴム1個、クリップ1本の中にすら、都市を動かすほどのエネルギーが「質量」という形で封じ込められていることを示しています。