トマトトーンを散布したにもかかわらず「実が肥大しない」「先端が尖った奇妙な形になった」という声を耳にすることは少なくありません。薬効成分であるオーキシン活性物質(4-CPA)は、花粉がつかなくても子房を肥大させる強力な着果促進剤効果を持ちますが、作用が強力だからこそ投与のタイミングに極めてシビアです。
そもそもトマト実がつかない理由の多くは、気温不足や日照不足による花粉の稔性(受精能力)低下にあります。しかし、効果を焦って「まだ開いていない硬い蕾」に散布してしまうと、過剰なホルモン刺激によって子房の発育バランスが崩れ、果頂部が突き出た奇形果や乱形果が発生します。これがトマトトーン奇形果原因の典型例です。
反対に、花びらが落ちて時間が経過した花房に吹きかけても、すでに細胞分裂のタイミングを逸しているため肥大せず、黄色くなって落花します。失敗を防ぐ第一歩は、「完全に咲いた花」のみを狙って処理することに尽きます。