かつてモバイル端末での外部ストレージ利用を阻んでいた最大の障壁は、インターフェースの給電能力と通信プロトコルの制約にあった。この状況を根本から打破したのが、USB Type-Cの標準化とUSB OTG (On-The-Go)技術の成熟だ。
USB OTGは、スマートフォン本体がホスト機器(親機)として振る舞い、接続されたカードリーダーや外部SSDへ電力を供給しながら双方向のデータ通信を可能にする仕組みである。USB Type-Cコネクタの普及により、ピン配置の最適化とバスパワー供給能力が飛躍的に向上した。以前のように「補助電源付きのハブ」を用意する必要はなく、極小のリーダーひとつで安定した通信ラインを確保できる。
データ転送プロトコル自体も、従来の低速な規格からUSB 3.2 Gen2、さらにはUSB4へと帯域が拡大された。ホストコントローラの処理能力が底上げされた結果、RAW画像数百枚のバッチ処理でもスマートフォンのCPUがボトルネックになる現象は劇的に減少している。