漫画家・石ノ森章太郎が生み出した「同族殺しの悲哀」という根源的なテーマ。バッタの能力を移植された改造人間が、自らを改造した悪の秘密結社を倒すために戦うというダークヒーローの宿命こそが、仮面ライダーシリーズの背骨である。番組では爆笑の合間に、こうした作品の原点にある重厚な哲学もしっかりとすくい上げられてきた。
制作を一手に担う東映株式会社の現場エピソードも、ファンの心をくすぐる極上のスパイスだ。CG技術が存在しなかった昭和の時代、火薬と生身のアクションだけで限界突破の映像を撮影していた現場の執念。命がけのスタントが生み出した伝説的シーンの数々が、スタジオで深い愛情を込めていじられる。単なるからかいではなく、先人たちの過酷な仕事に対する敬意が根底にあるからこそ、東映側も貴重なフィルムを惜しみなく提供する関係性が成立している。