精神医学の観点から見れば、適応障害は特定のストレス源から離れることが難しい環境において長期化しやすい。外交官としての華々しいキャリアから皇室という極めて特殊な環境への転身は、想像を絶する心理的プレッシャーを伴うものだった。
皇后雅子さまが診断を受けてから20年以上の歳月が流れた。精神科医らは、長期におよぶ療養生活の中で示されてきた「焦らず、徐々に活動の幅を広げる」アプローチの正しさを指摘する。単なる症状の回復にとどまらず、ご自身の置かれたお立場とご体調との間で模索し続けたバランスこそが、現在の安定したご活動へとつながっている。