本シリーズが他のアクション映画と一線を画す最大の理由は、緻密かつミステリアスに構築された裏社会の社会秩序にある。その中核をなすのが、殺し屋たちの聖域として機能する「コンチネンタル・ホテル」だ。
「敷地内でのビジネス(殺人)は厳禁」という絶対的な掟が存在し、違反者には即座に「破門(エクス・コミュニケーション)」の処分が下される。そして、この世界の頂点に君臨するのが、12の巨大組織から構成される絶対的支配機構「主席連合」である。金貨による独自の経済圏や、血の誓印による契約の絶対性など、提示される裏設定の数々は観客の妄想を掻き立ててやまない。スクリーンに映し出される一挙手一投足の後ろには、幾重にも重なる歴史と厳密なコードが隠されているのだ。