研究開発費の高騰とM&Aによる一時的なキャッシュアウトは、同社の財務を圧迫している。特に投資家が懸念するのは、配当の行方だ。アステラスはこれまで「累進配当」を掲げ、配当を維持または増配する方針を貫いてきた。しかし、業績の過渡期においてこの方針を維持することが、将来の投資体力を奪うのではないかという懸念も根強い。
経営陣は「配当の維持はコミットメントである」と強調するが、新薬の立ち上がりが想定を下回れば、一時的な減配や自社株買いの凍結といった厳しい決断を迫られる可能性もゼロではない。財務の健全性を保ちながら、いかに未来への投資を継続できるか。バランス感覚が問われる局面が続く。