会見後、船場吉兆は一時営業休止を経て翌2008年1月に営業を再開しました。しかし、信頼回復に向けた再出発は束の間、同年5月にさらなる激震が走ります。元従業員の内部告発によって、料亭内で組織的に行われていた客の食べ残し料理の使い回しが発覚したのです。
調査の結果、宴席で客が手を付けなかった鮎の塩焼きや刺身のツマ、わらび餅、焼き魚などが厨房へ戻され、別の客の料理として再加熱・再盛り付けされて提供されていた実態が判明しました。衛生観念を著しく欠いたこの不正は、食の安全を重んじる高級料亭として決して許されない致命傷となります。
使い回しの常態化が明るみに出た直後の2008年5月28日、船場吉兆は民事再生法の適用申請を断念し、全店舗の閉鎖と電撃的な廃業を発表。創業者が築き上げた栄光の暖簾は、不正の連鎖によって完全に地に堕ちることとなりました。