旅行者の間で根強く存在する「パスポートケース不要論」。その主な理由は、各国の入国審査(イミグレーション)や空港チェックイン時に「カバーを外して提出するよう求められる」という運用上のルールにあります。毎回ケースから抜き差しする手間を煩わしく感じ、裸のままポケットやバッグに放り込んで持ち歩く人がいるのも事実です。
しかし、パスポートを無防備な状態で持ち運ぶことには極めて大きなリスクが伴います。バッグの底で鍵やペットボトルと擦れ合って査証欄が破れたり、雨や汗で水濡れしてICチップが破損した場合、「損傷パスポート」と判定されて航空機への搭乗を拒否される事例が世界各国で厳格化しています。再発行には現地の日本大使館へ出向く必要があり、旅程が完全に崩壊しかねません。
さらに、万全な海外旅行のパスポート紛失対策という視点でもケースは大きな役割を果たします。予備の証明写真やパスポートのコピー、緊急連絡先メモをケースの定位置に集約しておくことで、万が一の盗難時にも初動対応を迅速に進めることが可能になります。