伝説的プロデューサー、クインシー・ジョーンズとのタッグは、前作『Thriller』の世界的超大ヒットという巨大なプレッシャーの中で進められた。彼らが目指したのは、単なる前作の踏襲ではなく、よりエッジの効いた都市的なサウンドの構築である。
ベースラインの力強いグルーヴ、洗練されたR&Bの感性、そしてハードなロック要素が見事に融合したダンス・ポップの完成形。それこそが『Bad』だった。実はこの曲、当初ライバルのプリンスとのデュエットとして企画されていたという有名な裏話もある。結果的にソロトラックとなったものの、その鋭利なヴォーカル・パフォーマンスは音楽産業の歴史に深く刻まれることとなった。