大切な肉親を失った人が辿る心理的プロセスを支える概念として、グリーフケア(悲嘆ケア)が注目されています。母親という存在の喪失は、人生の中でも極めて大きな精神的打撃であり、回復には長い時間が必要です。
グリーフケアの観点から重要なのは、友人の悲しみを否定せず、悲しむ権利をそのまま認めてあげることです。「早く立ち直ってね」「お母さんも悲しむよ」といった言葉は、相手の感情に蓋をしてしまう危険性があります。
また、死因を根掘り葉掘り尋ねる行為は論外です。病気だったのか、突然だったのかなど、理由を知りたいという好奇心は相手にとって刃となります。友人が自分から話してくれるまでは静かに耳を傾け、「辛い時はいつでも話を聞くよ」という安全基地としての姿勢を示し続けることが、本当の意味での寄り添いとなります。