群馬県が誇る名湯・温泉地を訪れる旅人にとって、気象の罠は足元に潜んでいる。標高約1,200メートルに位置する草津温泉や万座温泉は、平野部の前橋市街地と比べて気温が常時7〜10度低い。東京や埼玉の都心感覚で軽いジャケット一枚で訪れた旅行者が、現地に着いた途端に氷点下の凍える寒さや突然の積雪に見舞われるトラブルが後を絶たない。
特に危険なのが、秋から春にかけての道路凍結(ブラックアイスバーン)だ。平野部では晴天で路面が完全に乾いていても、榛名山や赤城山のワインディングロード、志賀草津高原ルートに入った瞬間に路面が滑りやすい凍結状態へと変化する。レンタカーを利用する観光客のノーマルタイヤ立ち往生事故は、地元の警察や道路管理者が最も神経を尖らせている問題の一つだ。