伊勢には古くから、毎月1日に無事過ごせた1ヶ月を感謝し、新しい月の無病息災を祈願して伊勢神宮へお参りする「朔日参り(ついたちまいり)」という独自の習慣がある。これに合わせて早朝から提供される「朔日粥」は、毎月楽しみに通うリピーターが後を絶たない特別な名物だ。
月ごとに変わる旬の食材を使ったお粥は、1月は七草、2月は小豆粥、春には季節の山菜など、日本の四季を五感で味わう趣向が凝らされている。まだ暗い早朝4時頃から全国から集まった参拝客が集い、温かいお粥をすする光景には、伊勢という土地が育んできた温かいコミュニティの温度がそのまま宿っている。