噂が一人歩きを続け、所属事務所(イザワオフィス)やキー局各社には「本当なのか」「事実を教えてほしい」という問い合わせ電話が数千件規模で殺到しました。事態を重く見た志村けんさんは1996年9月、フジテレビのスタジオにて自ら異例の緊急記者会見を開く決断を下します。
報道陣の前に姿を現した志村さんは、憔悴するどころか持ち前の明るい表情を崩さず、第一声でこう語りかけて会場の笑いを誘いました。
「ご覧の通り、生きてますよ。勝手に殺されちゃ困っちゃうよね」
会見の中で志村さんは、群馬県の病院はおろか入院すらしていない事実を明かし、健康そのものであることを笑顔でアピールしました。深刻なトーンで報道陣が詰めかける中、自らのデマすらも極上のエンターテインメントへと昇華させたその対応は、トップコメディアンとしてのプロ意識の高さを世に知らしめる結果となりました。
この会見によって騒動は沈静化へと向かいましたが、「火のない所に煙が立った」典型例として、メディア史に刻まれる象徴的な出来事となったのです。