ビジネスで不便益を取り入れる際、最も犯しやすい間違いが「ただの使いにくさ」を不便益だと錯覚してしまうケースです。
以下のような事例は、不便益ではなく単なるUXの改悪・設計ミスに過ぎません。
- 行政や銀行の手続き:複雑すぎる書類記入や、無意味に長い待ち時間は、利用者に学びや達成感を与えずストレスしか生まない。
- ECサイトの導線不備:購入ボタンが分かりにくい、入力フォームのエラー表示が不親切など、タスク完了を妨げるだけの不備。
- 安全性を損なうだけの設計:利用者が危険を予測できず、単に怪我や事故を招く構造。
両者を分ける境界線は極めてシンプルです。「ユーザーがその不便を能動的に引き受けた先に、成長・愛着・感動といったポジティブな報酬が存在するかどうか」です。やらされ感のある作業や理不尽な制約は、顧客離れを引き起こす致命傷になり得ます。