地域医療の屋台骨である神奈川県医師会ですが、ネット上の掲示板やSNS、地域コミュニティではどのような評価を受けているのでしょうか。編集部が取材した医療従事者と一般県民の証言からは、光と影の双方が浮かび上がります。
肯定的な声として最も多いのは、年末年始や深夜帯における「休日夜間急患診療所」のセーフティネット機能に対する圧倒的な感謝です。横浜市内の子育て世代の女性(30代)は次のように証言します。
「正月三が日の夜に娘が突然40度近い高熱を出した際、地域の医師会が輪番で開いている診療所に駆け込みました。当番の小児科の先生が手際よく診察し、解熱剤と適切な指示をくださったおかげでパニックにならずに済みました。普段意識することはありませんが、地域の医師ネットワークが存在するありがたみを痛感しました」
一方で、内部の会員医師や関係者からは、組織運営に対するシビアな指摘も聞かれます。県内のクリニックを開業した40代の内科医は、本音をこう語ります。
「入会金や年会費の負担は決して軽くありません。若手開業医にとっては、医師会の伝統的な人間関係や会合への出席が時間的コストと感じられる場面もあります。しかし、行政からの予防接種業務の委託や、2026年に必須となった電子カルテ共有などのDXインフラ支援を単独クリニックで乗り切るのは不可能です。最終的には不可欠なインフラとして頼らざるを得ないのが現実です」