御柱祭の事故は、法的な責任問題としてもクローズアップされてきました。過去の転落事故や圧死事故では、警察による業務上過失致死傷容疑での捜査が行われ、主催者側の安全配慮義務が厳しく問われたケースも存在します。
かつては「祭りの事故はお互い様」「神事の結果」として法廷闘争を避ける風潮が根強くありました。しかし近年では、遺族の権利意識の変化や社会通念のアップデートにより、主催責任の明確化を求める声が高まっています。
一方で、遺族の中にも「危険を承知で誇りを持って参加していた故人の思いを踏みにじりたくない」という複雑な葛藤を抱えるケースは少なくありません。事故の真相を究明し、二度と同じ悲哀を繰り返さない体制を整えることこそが、命を落とした氏子たちに対する真の供養であるという認識が広がっています。