カジカの旨味がピークに達する旬の時期は10月から翌年2月頃にかけての晩秋から冬期です。この時期のカジカは越冬や産卵に向けてたっぷりと栄養を蓄え、身が引き締まり、肝や卵巣にも濃厚な旨味が凝縮されます。
北海道や東北、北陸地方において、カジカ料理は冬を代表するごちそうとして古くから親しまれてきました。中でも特筆すべき代表的な調理法を紹介します。
■ 郷土料理の最高峰「カジカ鍋(ナベコワシ)」
ぶつ切りにしたカジカを、焼き目を付けてから味噌仕立ての出汁でネギや大根、豆腐などとともに煮込む鍋料理です。カジカのアラや肝から溶け出す濃厚な出汁は、他の魚では味わえない深いコクを生み出します。あまりの美味さに「箸で鍋の底をつつきすぎて壊してしまう」ということから、「ナベコワシ(鍋壊し)」という強烈な異名が付けられました。
■ 香ばしさを極める「カジカ酒」の作り方
フグのヒレ酒やイワナの骨酒のように、素焼きしたカジカを使った「カジカ酒」も通の間で愛される逸品です。内臓を取り除いてじっくりと時間をかけて素焼きにしたカジカを、熱々の熱燗(飛び切り燗)を注いだ器に投入します。数分蒸らすことで、芳ばしい焼き目と淡水魚特有の澄んだ出汁が酒に溶け出し、極上の香りと旨味をまとった一杯が完成します。
■ 素朴にして贅沢な「から揚げ」と「塩焼き」
小ぶりのカジカは、丸ごと低温でじっくり二度揚げにするから揚げが絶品です。頭から骨までサクサクと香ばしく食べられ、白身の繊細な甘みが引き立ちます。大ぶりの個体であれば、シンプルに串を打って遠火の炭火で焼き上げる塩焼きにすることで、ふっくらとした身の弾力と皮の香ばしさをダイレクトに楽しめます。