ホワイトハウスからの要求は常に明確だ。「対イラン包囲網に参加せよ」。日米同盟を外交の基軸とする日本にとって、この要請を拒絶することは容易ではない。特に東アジアにおける安全保障環境が緊迫する中、米国との強固な信頼関係は何よりも優先されるべきとされる。
だが、現実は甘くない。イランを完全に敵に回せば、中東全域での日本企業の権益や、長年築いてきた独自の外交ルートが瓦解する。日本の外交当局者は「同盟国としての役割を果たしつつ、イランとの対話の窓口を閉ざさないこと。この二律背反を両立させるしか道はない」と匿名を条件に語る。二枚舌と批判されようとも、これが生き残るための現実的な選択なのだ。