海岸の北端に目をやると、切り立った断崖の頂に白い角田岬灯台が凛と佇んでいる。昭和34年の点灯以来、航海の安全を見守り続けてきたこの灯台は、角田浜を象徴する圧倒的なランドマークだ。灯台へと続く遊歩道を登りきれば、眼下には壮大な日本海の大パノラマがどこまでも広がっていく。
灯台の真下、荒波に削られた岩窟には歴史好きの心をくすぐる伝承が眠る。「源義経の判官舟かくし」と呼ばれるこの洞窟は、兄・頼朝の追手から逃れる途上、義経一投が追撃を交わすために船を隠したとされる場所だ。薄暗い洞門を抜ける風の音を聞いていると、鎌倉時代の緊迫した空気が現代の波音に交じり合って聞こえてくるような錯覚すら覚える。