「手元のドリンクを持っていただけでドアを閉められた」というネット上の口コミは誇張ではありません。韓国市内バスにおける飲食持ち込み禁止の経緯は、2018年1月にソウル市が施行した「市内バスの安全運行及び旅客運送約款」の改定に遡ります。急ブレーキやカーブが多い韓国のバス車内において、高温のコーヒーや氷の入った飲料が他の乗客に飛散し、火傷や衣服の汚損、滑走事故が多発したことが法制化の契機となりました。
運転手には条例に基づき、車内安全を脅かす飲食物を所持した乗客の「乗車拒否」を行う法的な権限と義務が与えられています。現場での対応は極めて厳格であり、悪気のない旅行者であっても容赦なく制止されます。
現場取材や利用者の報告から明らかになった、持ち込み可否の具体的な判断基準は以下の通りです。
【明確に乗車を拒否されるケース】
・プラスチックカップに入ったテイクアウトのコーヒーやお茶(フタやストローが付いていても不可)
・缶ジュースや缶ビールを開封した状態のもの
・串に刺さったトッポギやホットクなどの屋台フード、開封されたファストフード
【持ち込みが許可されるケース】
・スクリューキャップがしっかり締まったペットボトル飲料
・完全に密閉された水筒やタンブラー
・未開封のビニール袋や紙袋に入り、口が縛られた持ち帰り用テイクアウト商品
街歩きで購入した人気カフェのドリンクを手に持ったままバスを待つ光景はよく見られますが、バスの接近前に飲み干してゴミ箱へ捨てるか、乗車を諦めて徒歩やタクシーへ切り替える決断が必要です。