ここに足を運んだなら、絶対に外せないスペシャリテが存在する。毎日店舗で打ち立てられる「手打ちタリオリーニ」だ。卵黄の濃厚なコクを閉じ込めた極細の生地は、茹であがりと同時にソースと絡められ、熱々のままテーブルへと運ばれてくる。
一口含んだ瞬間の歯ごたえ、そして鼻を抜ける小麦の芳醇な香り。季節によって合わせるソースは変化するが、冬場であれば獲れたての野生キノコと黒トリュフ、春先であれば初鰹のコンフィと山菜が彩りを添える。噛み締めるたびに溢れ出る旨味の奔流に、思わず会話が途切れる瞬間が訪れる。これぞまさに、五感で味わう芸術作品だ。