二段階右折とは、交差点の右側車線へ直接移動して曲がるのではなく、あらかじめ道路の左端に沿って交差点を直進し、渡りきった先で進行方向に向きを変えて待機した上で、前方の信号機に従って右折方向へ進む通行方法を指します。一方、四輪車や自動二輪車(排気量51cc以上の原付二種や普通自動二輪など)が日常的に行っている「あらかじめ道路の中央や右折車線に寄って交差点の中心の内側を回る方法」は「小回り右折」と呼ばれます。
この通行区分は、原動機付自転車 道路交通法第34条(右折等)第5項において厳格に定められています。法律によって原付一種(50cc以下および出力を抑えた新基準原付)に特別な右折手順が課されている根本的な理由、それは「走行速度のギャップによる重大事故の防止」です。
原付一種の法定最高速度は時速30kmに制限されています。交通量の多い幹線道路において、時速50〜60kmで流れる後続の四輪車の前に車線変更を繰り返し、道路中央の右折レーンまで進入することは極めて危険です。速度差のある車両同士が車線を跨ぐ際の接触事故を防ぎ、非力な原付の安全を確保するために設計された交通システムこそが、二段階右折という合理的な仕組みなのです。