彼の役者人生を語る上で欠かせないのが、ジャイアン役を長年務めたたてかべ和也との深い絆だ。画面の中では、威張り散らすジャイアンとそれに媚びへつらうスネ夫という「ボスと子分」の関係性を完璧な息の合い方で演じていた二人だが、マイクを離れたプライベートでも大の親友として知られていた。
仕事が終われば連日のように飲みに出かけ、演技論から人生の苦楽までを語り合ったという。スタジオに入れば言葉を交わさずともお互いの間合いを察し、アドリブを自然に拾い合う阿吽の呼吸。たてかべ氏が旅立った際、涙ながらに捧げられた別れの言葉は多くの人々の胸を打った。二人で作り上げたあのコンビネーションは、声優業界におけるコンビワークの最高到達点と言える。