ケアブリーチとは、従来のブリーチ剤(脱色剤)に「プレックス剤」と呼ばれる特殊な処理剤を配合、あるいは前処理・中間処理として組み合わせて行う脱色施術の総称です。単に髪を明るく脱色するだけでなく、毛髪構造そのものを保護・強化しながらメラニン色素を抜いていく点が最大の特徴です。
なぜ従来のブリーチに比べて「傷みにくい」と評価されるのか、その理由は毛髪内部のケミカル反応にあります。通常のブリーチは、アルカリ剤と過酸化水素が反応して強力な酸化力を生み出し、メラニン色素を破壊します。その過程で、髪の主成分であるケラチンタンパク質をつなぐシスチン結合(ジスルフィド結合)までも切断してしまい、毛髪内部がスカスカになる「多孔性毛(ポーラスヘア)」を引き起こしていました。これが、深刻なパサつきや切れ毛の原因です。
ケアブリーチでは、配合されたジカルボン酸やマレイン酸誘導体といった有効成分が、ブリーチの酸化反応中に生じるダメージホールに入り込みます。切断されかけた結合を再結合させたり、新たな架橋(結合の橋渡し)を瞬時に形成したりすることで、毛髪の強度を維持します。「髪を脱色しながら、内部の骨組みを補強する」という二重のアプローチこそが、髪が千切れにくく、芯のある手触りを残せる科学的な根拠です。
現在、サロン現場で主流となっているプレックス剤には、世界的なパイオニアである「オラプレックス(OLAPLEX)」や、サロン専売として圧倒的なシェアを誇るシュワルツコフの「ファイバープレックス(FIBREPLEX)」などがあります。これらはそれぞれ独自の特許技術やアミノ酸複合体を採用しており、ブリーチによる酸化ダメージを最大94〜98%削減すると実証されたデータも報告されています。