ヒロイン・あぐり役を務めた田中美里のみずみずしい演技は、今見返してもハッとするほど新鮮だ。オーディションで抜擢された彼女が魅せた無垢な笑顔と、逆境に立ち向かう強い眼差しは、視聴者の心を一瞬で捉えた。未経験に近い状態から国民的ヒロインへと駆け上がった過程そのものが、一つのドラマだったと言える。
そして、彼女の夫・エイスケを演じた野村萬斎の圧倒的な存在感を忘れることはできない。狂言師としての確かな発声と優雅な立ち振る舞い、どこか浮世離れした奇人でありながら憎めない魅力を持つエイスケ像は、日本のドラマ史に残るハマリ役となった。二人の画面越しに溢れ出る化学反応が、物語に独特の奥行きと華やかさを与えていた。