この天文学的な数字をコントロールしているのが、所属事務所CAAの敏腕代理人ネズ・バレロ氏だ。彼の広告戦略は極めて冷徹かつ戦略的である。企業からのオファーを闇雲に受け入れるのではなく、カテゴリーごとに「1業種1社」の独独契約を徹底し、ブランドイメージの希釈化を徹底的に防いでいる。
海外企業との交渉においては、契約金だけでなく「地球規模での露出プラン」や「選手のコンディションを最優先した撮影スケジュールの確保」が絶対条件として突きつけられる。撮影時間は年間を通じてわずか数時間程度に制限され、その限られた枠をめぐって世界中の企業が争奪戦を繰り広げているのが実情だ。この極度の希少性が、ギャラをさらに吊り上げる相乗効果を生んでいる。