公立校ゆえの宿命とも言えるのが、グラウンドの使用時間や設備面の制約だ。平日の全体練習はわずか2時間程度。この物理的な短さを補うために2026年シーズンから全面的に導入されたのが、回転数や変化量を即座に測定する弾道測定器と、AIを活用したフォーム分析ツールだった。
「以前なら感覚で処理していた『ボールのキレ』や『シュート回転』が、すべて数値として画面に出る。自分の投球がなぜ打たれたのか、どう改善すべきかが一目瞭然になった」。主戦投手のひとりはそう語る。感覚論を排除し、事実に基づいたフィードバックを即座に行うことで、短時間でも私立強豪に匹敵する質の高い練習量を実現しているのだ。デジタルと汗が交差するグラウンドに、迷いはない。