2015年、経営陣を驚かせた人事が発表される。執行役員からの13人抜きで社長に就任したのが安永竜夫だった。異例の大抜擢として話題となった安永の使命は、資源価格の下落によって傷ついた業績の立て直しと、非資源分野への構造転換だった。
安永は「ヘルスケア」「食料・農業」「次世代モビリティ」といった生活産業や機能材料分野への投資を加速させた。莫大な資金を要する資源投資に頼り切る体質から脱却し、安定した収益を生み出す非資源事業の柱を育て上げた功績は大きい。この時期の果断なポートフォリオ改革が、その後の同社の打たれ強い経営基盤をつくった。