文亨進氏の武装路線を語る上で欠かせないのが、実兄である4男・文國進(ムン・グクチン/英語名:ジャスティン・ムーン)氏の存在です。文國進氏は、アメリカの銃器製造会社「カーアームズ(Kahr Arms)」の創設者兼CEOとして知られる人物です。
カーアームズは、警察官のバックアップ用や自己防衛用の小型自動拳銃市場で高い評価を得ている本格的な銃器メーカーであり、グループ傘下にはトンプソン・サブマシンガンを製造するオート・オードナンス社なども抱えています。文國進氏は、文鮮明氏が生前に教団の経済部門や関連企業の統括を任せていた重要人物でもありました。
文亨進氏が失脚した際、文國進氏もまた韓鶴子氏によって教団ビジネスの要職から解任されており、利害と復讐心が一致した兄弟は強固な共闘体制を築きました。カーアームズの資金力と銃器供給ルートが、サンクチュアリ教会の武装化を物理的・経済的に下支えする構造が出来上がったのです。
現在、教会関連施設内にはカーアームズの直営店舗や射撃練習場が併設されており、礼拝に訪れた信者がその場で銃器や弾薬を購入し、軍事的な射撃訓練を受けるプログラムまで用意されています。「銃器メーカーのビジネス」と「終末論的カルト信仰」が密接に結合したビジネスモデルは、全米の治安当局や宗教学者からも極めて危険な兆候として警戒され続けています。