かつて権力の密室性を強烈に皮肉り話題を呼んだ映画『パンケーキを毒見する』。あの作品に象徴される政治ドキュメンタリーの神髄は、単なる批判にとどまらず、権力の本質をエンターテインメントと批評の双方から解剖する視点にあった。政治家が発する威勢のいい言葉の裏に隠された虚飾を剥ぎ取る作業は、今や映画から日々のWeb報道へと場を広げている。
権力者にとって最も不都合なのは、数字や事実に基づいた調査報道だ。事実関係を丹念に突き合わせ、矛盾点を浮き彫りにする作業は地味で時間がかかる。だが、一見すると難解な政治問題を市民の目線に引き戻すドキュメンタリー的アプローチこそが、形骸化した日本の政治報道に一石を投じ続けている。