「もはや洗濯洗剤の香りではない」。ドラッグストアの店頭で足を止めた消費者が口にする感想だ。パリやグラースに拠点を置く一流調香師とのコラボレーション製品が、日常のランドリースペースを占拠している。
かつての「フローラル」「シトラス」といった単純なカテゴリー分けは過去のものとなった。現在の主流は、ウッディベースに白樺やアイリスを重ねた深みのあるノートや、アンバーとホワイトムスクが織りなす包み込むような温かみのある香りだ。高価なメゾン香水を購入する代わりに、毎日の洗濯を通じてお気に入りの香りを身に纏う――この経済性と贅沢感のバランスこそが、中間層の消費心を強く引きつけている。