コンプライアンスやBPOの基準が極めて厳格化された現在、生放送で台本にない身体的接触を伴うハプニングを起こすことは事実上不可能です。少しでも不適切な演出があれば即座にSNSで拡散され、スポンサー離れや社会的制裁に直結する時代になりました。
そうした現代の視点から振り返ると、橋田さんと江頭さんのキス事件は、「テレビが最もカオスでエネルギーに満ちていた時代の遺産」として特異な光を放っています。危険極まりない行為であったことは否定できませんが、予定調和を破壊する緊張感と、それを受け止めた表現者同士の奇妙な共犯関係は、現代のテレビが失ってしまった熱量そのものでした。
だからこそ、令和を生きる若い世代の間でも切り抜き動画や解説コンテンツを通じて「かつてこんな凄い瞬間があったのか」と驚きをもって受け止められ続けています。