本作の最大の特色は、それぞれが完全に独立した短編〜中編映画の形式をとる『アンソロジー映画』という構成にある。メガホンをとったのは、『十二年の奴隷』でアカデミー賞を制した巨匠スティーヴ・マックィーン。彼自身がロンドンで生まれ育ったカリブ系黒人のルーツを持つことから、劇中に漂う質感や息遣いには一切の嘘がない。
全5作で構成される本作は、警察の嫌がらせに立ち向かう人権運動、音楽シーンの熱気、教育現場に潜む構造的差別まで、多角的な視点から時代を切り取る。映画業界における従来の社会派ドラマの枠組みを打ち破り、個々の人生のグラデーションをドラマチックに可視化してみせた。