検索エンジンで「鴨川シーワールド シャチ」と入力すると、関連ワードに「トレーナー 事故 真相」といった不穏なキーワードが表示されることがあります。この検索サジェストに不安を覚える来場者も少なくありません。
調査報道の観点から客観的証拠を検証すると、鴨川シーワールドにおいてシャチによるトレーナーの死亡事故や重大な人身傷害事故が発生した事実は過去に一度もありません。
この噂が広まった背景には、2つの大きな要因が存在します。第1に、2010年にアメリカのテーマパーク「シーワールド・オーランド」で発生したシャチ(ティリクム)による女性トレーナー死亡事故およびドキュメンタリー映画『ブラックフィッシュ』の世界的報道が、日本国内の「シーワールド」という名称と混同されたこと。第2に、ネット上のまとめサイトやSNSにおけるセンセーショナルな切り抜き情報が誤認を拡散させたことです。
鴨川シーワールドでは、動物行動学に基づいた「正の強化(Positive Reinforcement)」と呼ばれるトレーニング手法を徹底しています。力や恐怖で従わせるのではなく、合図に対して正しい行動をとった際に褒美(魚やスキンシップ、遊び)を与えることで信頼関係を構築します。万が一シャチの機嫌や体調が優れないサインが見られた場合は、即座に水中演技を取りやめるなど、厳格な安全プロトコルが数十年にわたり徹底されています。