「店頭からカールがなくなった」という現象の背景には、メーカーである株式会社明治が下した苦渋の経営判断が存在します。カール販売終了の時期は2017年8月生産分(店頭在庫は同年9月頃に順次終了)であり、中部地方以東(東日本全域)での取り扱いが全面的に打ち切られました。全国的な完全終売ではなく、「東日本エリアにおける販売中止」というのが正確な事実です。
この決断に至った直接の要因は、長期にわたるカール売上低迷の経緯にあります。明治の公表データおよび業界推計によると、カールの売上は1990年代半ばのピーク時に年間約190億円規模を誇っていました。しかし、2010年代半ばには約60億円前後へと急落し、最盛期の約3割にまで市場規模が縮小していました。
背景には、日本のスナック菓子市場における激しい競争環境の変化があります。カルビーの「ポテトチップス」や「じゃがりこ」をはじめとするポテト系スナックの台頭、さらには大人向けプレミアムスナックや健康志向系菓子の乱立により、コーンスナック市場全体のパイが奪われていきました。加えて、「食べるときに手に油や粉がつく」「歯にくっつきやすい」といった食感や形状への消費者の嗜好変化も、若年層を中心とする購買離れを加速させました。