朝9時、開庁直後。かつてなら申請用紙に筆記用具を走らせる人で溢れていた1階総合窓口のロビーには、静寂すら漂う。現在、住民票の写しや印鑑登録証明書の交付申請は、入口付近に設置された端末や個人のスマートフォンで事前に完結する仕組みへと移行した。
「紙に何度も同じ氏名や住所を書く必要がなくなっただけで、心理的ハードルが段違いに下がった」——区内に暮らす30代の会社員はそう話す。マイナンバーカードを用いた本人確認とQRコードの発行により、窓口での手続き時間は従来の3分の1以下に縮小。フロアスタッフによる誘導もスムーズで、滞在時間の平均は10分前後にまで短縮されたという。