現代の首相官邸が強大なリーダーシップを発揮できる背景には、橋本の手によって成し遂げられた政治・行政の巨大再編が存在する。縦割り行政の弊害を打破すべく、従来の省庁を解体・再編し、「1府12省庁体制」を構築する基本路線を決定した。
特に重要なのは、内閣官房および内閣府の権限強化だ。かつて「各省庁の出張所」とまで揶揄された内閣官房に、国家戦略を主導する司令塔機能を付与した。政治主導の基本方針策定や、危機管理体制の強化は、この改革によって初めて可能となった。官僚答弁に頼らず、自らマイクを握って政策を語り尽くした橋本のスタイルは、現代における「強い官邸」の礎を築いたと言える。