滝藤賢一の出身地は愛知県名古屋市。かつて日本の繊維産業を支えたモノづくりの街だ。彼の父親が経営していたのは、アパレル関連のプレス工場(アイロンがけや仕上げを行う現場)だったという。大企業のような莫大な資産を持つ「超金持ち」というよりは、地域に根差した自営業として、堅実に家計を支えていたというのが事実に近い。
それでも、一般の家庭に比べれば衣服や流行に対するアンテナが高い環境であったことは間違いない。幼少期からミシンの音やアイロンの熱気、そして様々な生地に囲まれて育った経験が、現在の彼の美意識の土台を作ったのだ。