かつて戦後日本の復興期において、アミューズメント産業の先駆けとして全国を席巻したのが昭和レトロゲームの数々だった。日本遊技関連事業協会の資料や歴史的記録を紐解くと、スマートボールは昭和初期から中期にかけて大衆娯楽の王道として都市部の繁華街を彩っていたことがわかる。
テクノロジーが進化し、高度なデジタルエンターテインメントが溢れる時代にあっても、このシンプルな物理仕掛けの遊戯が生き残っている事実は深い味わいがある。織田作之助の小説にも描かれた浪速の庶民文化と反骨精神が、このガラス玉の響きの中に今も息づいているのだ。